マルタ、マリヤ、ラザロの三姉弟

September 13, 2017

昔々、イスラエルの小さな町に三人の兄弟姉妹が暮らしていた。彼らの名前は、姉マルタ、妹マリヤ、弟ラザロ。彼らは、幼いころに両親を亡くし、三人で助け合いながら一生けんめいに生きて来た。姉のマルタが下の二人の面倒を甲斐甲斐しく見て、家事や炊事も良くこなした。年下の二人も姉を手伝い、いつも三人が助け合いながら暮らしていた。

 

イエスの一行はエルサレムを通って、近くのベタニアの町に来られた時は、いつも彼らの家に立ち寄ってくださった。イエスとお弟子たち13人を家に迎えて、食事や宿泊も提供した。そのことも彼ら3人にとって大きな喜びと慰めとなった。早くに亡くなった両親は裕福だったので、家は大きくて全員が泊まれる部屋があった。また最高に高価なナルドの香水も壺に入ったものを、家宝のように大切にしていた。

何よりイエスに気に入られたのは、彼らの素直で純朴な性格と、しっかりした信仰だった。イエスは、ラザロを特に気に入って可愛がってくれた。まるでイエスの本当の弟のように、「私の愛するラザロ」とさえ言われた。それは三人にとってこの上もない喜びと励ましだった。

 

ある日、ラザロが病気になった。初めはすぐに治ると思ったが、だんだん症状はひどくなり、高熱が続いた。これは良くないと思ったマルタとマリヤは、使いの者をやってイエスに伝言した。「主よ。ご覧ください。あなたが愛しておられる者が病気です。」

イエスがすぐに来てラザロをいやしてくださるものと信じて、祈りつつこれを送った。しかし待てどくらせど、イエスは来られなかった。

ラザロの状態はさらに悪くなっていく、高熱にうなされて、うわごとを言い始めた。

「ラザロ、ラザロ、聞こえる? イエス様に伝えたからね。早く来てくださいって。もうすぐ来てくださるよ。だから頑張ってね。」

「もうすぐ、、、もうすぐ…。ああイエス様、まだですか?早く来てください。愛するラザロがこんなに苦しんでいます。早く枕元に来て、あなたのお力でいやしてください。」

「はやく、、はやく、、イエス様、今日こそは来てくださるのですか? 今か今かと待ち望んでいます。」「手遅れにならないうちに、どうかすぐに来て、愛する兄弟をいやして下さい。イエス様、一生のお願いです。」  でも、イエスは来られなかった。

「なぜですか。イエス様。どうして来て下さらないのですか? ああ、、、もうだめだ。ラザロの体がだんだん冷たくなっていく…。ああああ、、神様―」

遂にラザロは死んでしまった。イエスは間に合わなかった。遺体はすぐに腐敗し始めるので、皆はラザロの亡骸を墓に収めた。それから四日後にイエスがやってこられた。二人の姉妹はもう何と言って迎えたらよいか、胸が張り裂けそうになった。イエスに会うなりこう言った。

「主よ。もしここにいてくださったら、私の兄弟は死ななかったでしょうに・・・。」「どうして…どうして‥今まで…」ことばにならない。

イエスはマルタにはこう答えた。「あなたの兄弟はよみがえります。」マルタは、この世の終わりに、人は皆よみがえることを知っていた。「私は、終わりの日のよみがえりの時に、彼がよみがえることを知っております。」イエスはそれに対し言われた。

「わたしは、よみがえりです。命です。わたしを信じる者は、死んでも生きるのです。また、生きていてわたしを信じる者は、決して死ぬことがありません。このことを信じますか?」

彼女は答えた。「はい。主よ。私は、あなたが世に来られる神の子キリストである、と信じております。」これはイエスを神の御子、救い主・メシヤ・キリストと告白した素晴らしい信仰の証し。これだけ適切な言葉で、明確に信仰を告白した人は少ない。マルタはイエスに対して素晴らしい信仰を持っていたことがわかる。しかし、イエスが死人さえも甦らせる神の力があることは、彼女の考えにはなかった。

この後、妹のマリヤもイエスにまったく同じことを語った「主よ。もしここにいてくださったら、私の兄弟は死ななかったでしょうに…。」 この時イエスは、マリヤには姉のように難しい神学を語っていない。それどころか、イエスはマリヤが泣き、彼女と一緒にいる人たちも泣いているのをご覧になって、彼の心は大きく動揺した。「彼をどこに置きましたか。」と言うなり、イエスは涙を流された。

大きな涙がイエスの目から一粒、二粒、ほほをつたって落ちた。イエスは泣く者と共に泣いてくださるお方、悲しむ者と共に悲しまれるお方。

これから自分がなさることを、イエスはもちろんご存知で、そのためにここに来られた。それはラザロを死からよみがえらせること。人の死が悲しみで終わるのでなく、復活と言う大きな喜びに変えられることも、この時点でイエスは良く知っておられた。それなのに、皆と一緒に涙を流された。これこそ、主イエスの愛の心、優しい同情の心、思いやりにあふれるイエスの愛の心、と言える。

 

イエスは墓に来られ、石を取り除けるよう言われた。マルタが言った。「主よ。もう臭くなっておりましょう。四日になりますから‥。」イエスは彼女をたしなめるように言われた。

「もしあなたが信じるなら、あなたは神の栄光を見る。とわたしは言ったではありませんか」どこまでも、死んだ人がよみがえることは彼らの頭には、これっぽちもないことがわかる。

今からイエスがなさることは、彼らにとって想像を超えた、到底考えられないものだった。イエスは、神に祈った後、大声で叫ばれた。「ラザロよ。出て来なさい。」

するとどうでしょう。包帯でぐるぐる巻きになったラザロが、すっと起き上がり、一歩二歩と歩き始めたではありませんか?

「わあ!ゾンビだ。ミイラだ!」とは言わなかったでしょうが、そう感じた人たちもいたでしょう。大勢がその瞬間を目撃していた。全員身震いしたでしょう。腰を抜かしそうになったことでしょう。神の力は何とすごいものか、死んでいた人を言葉だけで生き返らせた。目撃した彼らはきっと一生これを語り継げたことでしょう。これはイエスが死人を生き返らせた話。イエスご自身がこの後、十字架で死んで、三日目によみがえることを示唆したものと言える。

先ほどからの疑問がある。イエスは、なぜすぐにラザロの元に戻らなかったのか?それも弟のように愛してやまないラザロが重い病で苦しんでいる時、なぜイエスは彼を見捨てたか?ラザロだけでなく、回復を心から祈るマルタもマリヤも、イエスはその時見放していたのではないか? 愛の人イエスが、なぜ愛する兄弟ラザロを見殺しにしたのか?

答えは・・・・すでに分かっている人も多いでしょう。

最初に病気の通知を受けた時、イエスは「この病気は死で終わだけのものではありません。」と言われた。「この病気は死で終わだけのものではなく、神の栄光のためのものです。神の子がそれによって、栄光を受けるためです。」これが先ほどの答え。

一度死んだ者が、それも四日もたってからよみがえことは、人には想像さえできないことであり、神のみができるみわざ―神の奇跡でしかない。この奇跡こそが、神の栄光を直接現すためのものだった。つまり、人々がこれを見て神の力をあがめ、イエス・キリストを神の御子として信じ、主イエス・キリストを礼拝するためのものだった。

そのために、イエスはあえて、4日間も到着を遅らせた。その間のイエスの心境を見ることができたとしたら、それは、きっと非常に苦しまれたのではないか、と察せられる。愛するラザロが苦しんでいるのも、手に取るように見えたはず。それをぐっとこらえ、彼が息を引き取る瞬間も心の目で見て、完全に死んで葬られた後4日目に到着した。愛する者の苦痛と死をわざと見ないようにされた、主イエスのつらい心が図りしれない。

 

今日ここから学べることは、

私たちの祈りや願いがすぐに聞かれない時も、主はしっかり見ていて下さり、私たちの苦悩を知っていてくださる。それでありながら、なお、待つことの大切さを教えられる。待つことのその先には、栄光の道が開かれているから…。

主イエスが栄光をあなたに用意していてくださる。夜明け前は真っ暗闇で、一寸先も見えない。が、しかし主イエスは暗闇の向こう側まで見据えて、昇る朝日を私たちに示してくださる。朝の来ない夜はない、と言う言葉のように…。

だから今、真っ暗闇の中を歩いている人も、決して希望を捨ててはいけない。必ず、その闇の向こうに、明るく輝く未来が待ち受けている。第1コリント10:13にこう書かれている。

「あなたがたの会った試練はみな人の知らないものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを、耐えられないほどの試練に会わせることはなさいません。むしろ、耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えてくださいます。」

主イエスは、あなたが今経験している試練もご存知であり、それに耐える力を与えてくださる。また主イエスは、試練の先に必ず脱出の道を備えていてくださる。それを信じて下さい。試練を切り抜けるためには祈りが不可欠。祈りはいつでもするものだが、特に苦しみの中にあっては、祈ることが優先されるべき。

主イエスは私たちの小さな祈り一つひとつをも覚えていてくださるお方。祈ったことが、すぐに祈った通りに叶えられる、と言うわけではないが、祈りの答えを待つことの大切さと、その時の忍耐を主は重んじられる。私たちもじっと忍耐強く待つことを覚えたいものだ。

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